双極性障害の治療方法~薬物治療について②~

双極性障害の治療方法のうち、ほとんどの患者に用いられているのが薬です。

薬物療法に使われる薬には気分安定薬と抗精神病薬が代表的です。

また複合的に不眠などの症状があれば、並行して睡眠導入薬を用いることがあります。

【気分安定薬について】

双極性障害の治療にいちばん多く用いられている薬といえば気分安定薬です。

気分安定薬は躁うつの気分の波を小さくし、その名の通り気分を安定させる効果があります。

気分安定薬がなぜ躁とうつの両方に効果があるのか明確に解明されてはいませんが、神経系統に何らかの作用を及ぼすためといわれています。

代表的な気分安定薬は以下の通りです。

【代表的な気分安定薬】

・リーマス(炭酸リチウム)

 双極性障害の治療に使われる最も代表的な薬です。

その歴史は数多くある精神疾患の薬の中でも古く、日本では1980年から取り扱われています。

リーマスは躁状態、うつ状態いずれも和らげる作用があり、さらに再発を抑える効果があります。

特に躁状態への効果が高く、衝動による自殺行為を防ぐ意味合いでも用いられています。

この薬の注意すべき点は副作用です。

リーマスの主成分であるリチウムは双極性障害に効果のある処方量と中毒域の量がたいへん近いため血中濃度が一定数を超えるとリチウム中毒を引き起こしかねません。

気分がもうろうとしたり、嘔吐する場合はすぐに服用をやめましょう。

そのため患者には血液検査が課されます。

また妊婦が服用すると、胎児に影響を及ぼすため処方は禁忌です。

・デパケン(バルプロ酸ナトリウム)

 リーマスと並んで古くから双極性障害に用いられているのがデパケンです。

元々てんかんの薬として処方されてきましたが、イライラや不機嫌を伴う躁状態に効果があるとされています。

リーマスと同じく躁状態と再発予防に効果がありますが、うつ状態の改善は弱いといわれています。

また、肝臓への負担がかかるため服用している人は定期的な血液検査で肝機能を調べることが義務付けられています。

・ラミクタール(ラモトリギン)

 近年用いられつつある双極性障害の治療薬です。

どちらかといえばうつ状態に効果を発揮します。

まれに皮膚のかゆみや湿疹などの副作用があるため、少量から処方する必要があります。

・テグレトール(カルバマゼピン)

 デパケンと同じく元はてんかんの薬で、抗躁作用があるとされています。

しかし、抗うつや再発予防の明確な効果は確認できておらず、副作用もあるため上記の薬で効果が期待できない場合や他の治療方法と併用して使われることが多いです。