双極性障害の治療方法~薬物治療について③~

双極性障害の治療に使われる薬物で、気分安定薬の次によく用いられているのが抗精神病薬です。

治療方法として、気分安定薬とも併用して使われることの多い抗精神病薬ですが、どのような薬なのでしょう。

【非定型抗精神病薬について】

双極性障害の治療に処方される非定型抗精神病薬は、主に統合失調症の治療薬として長らく効果を発揮してきました。

しかし、ドーパミンなどの神経伝達物質を遮断する役割が、双極性障害の治療にも効果を発揮するといわれており現在は双極性障害にも積極的に用いられています。

現在保険適用になっている薬は以下の2つです。

・エビリファイ(アリピプラゾール)

 他の抗精神病薬はドーパミンをシャットアウトする作用がありますが、エビリファイはドーパミン量をうまく調整する役割があります。

ゆえに、穏やかに患者に作用し、副作用が少ないことが特徴です。

とくに躁状態の改善をうながしますが、穏やかに効くため急性期の患者や興奮状態を速やかに抑えるというわけではありません。

・ジプレキサ(オランザピン)

 ジプレキサは強い鎮静作用を持ちます。

躁状態の興奮を抑えると同時に、眠りをもたらす効果もあるため、不眠を訴える患者にも用いられます。

また、陰性症状(うつ状態)にも効果を発揮します。

ジプレキサの副作用は体重の増加です。

特に糖尿病患者への処方は禁忌となっています。

【睡眠導入薬】

双極性障害には躁状態・うつ状態に限らず不眠の症状が出る場合があります。

寝付きが悪い、早朝覚醒してしまうなどの不眠がある際に一時的に睡眠導入剤を処方されることがあります。

主に、ベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤が処方されていますが、長期服用すると耐性がついてしまいやすく依存を引き起こす場合があるので注意が必要です。

主治医の指示に従い、決められた量を服用するようにしましょう。

また、急な減薬は不眠を助長する可能性があるため、ゆっくり行う必要があります。

睡眠をコントロールし、規則正しい睡眠をとるようにすることが改善への第一歩です。

【抗うつ薬は躁転に注意】

双極性障害のうつ状態の治療で、抗うつ薬を服用した場合、うつ状態から急激な躁状態が出現する躁転が引き起こされることがあります。

例えば、双極性障害と気づかずうつ病だと思い込んでうつ病の治療をしているケースがあります。

治療の過程や、以前の病歴で少しでも躁状態に近い症状が現れたら、主治医に伝え適切な診断を受ける必要があります。